ユ、ユ、ユウキです……。
今日は観光初日。
旅のハイライトの一つ、タージマハールを見に行きました。
ですが早速インドの洗礼を受ける羽目に。
本当に長く辛い一日でした……。
一日の始まりは朝4時。
昨日たっぷり寝たのでこの時間です。
朝6時の列車でタージマハールを見にアーグラーという街へ行きます。
なのでチケットを買う時間を考慮して4時45分頃出ることに。
んが、部屋を出ると生憎の雨。
せっかくのタージマハールだから延期しようかなと思ったんですが、まあなんとかなるかーとレインウェアを着込んで出発です。
駅に着いてまずはチケットを無事ゲット(500ルピー・1000円)。
ファーストクラスです。
で朝5時から駅で待機。
つかこの時間なのに随分沢山の人がいる。
おまいら一体何してんねん……。
程なくして列車が到着。
座席を見つけて出発進行。
さてさてこの列車、なかなかどうして立派なもんです。
コンセントはついてるし座席も綺麗。
極めつけはなんと朝食込み。
最初に一人ずつに小さなポットが配られ、ティーパックとお茶菓子をもらいます。
それでマッタリしてると次はメインが。
でこのメインなんですが、配る時に「おい、おまえ、ベジタブルか?違うか?」と聞かれます。
僕は当然「いやノンベジくれよ」と言ったんです、が。
様子を見ると何かがおかしい。
僕のは後に配る事になったようで(これはまあいい)、隣の早く来たやつを見ると何やら美味そうなコロッケが入ってる。
あれ?ベジタブル用でもコロッケっつーことは、ノンベジはもっと肉肉しいのかな?と思って期待してたら、いざ貰ったものを蓋開けてみると「グリーンピースのオムレツ」。
おま、僕のほうがベジタブルかよ!
つか僕、グリーンピース嫌いなんだけど!
とまあしょっぱなから出鼻をくじかれましたが、もう食事一つでガタガタ騒ぐ年でも無いので、何とかお腹にいれました。
あとは食パンが2枚ついてた。
こちらはバターとジャムをつけておいしくいただきました。
そんなこんなするうちに2時間ほどでアーグラー到着。
結構楽でした。
しかも雨止んだ。
ラッキー。
駅についてまずやったことは、帰りの列車の手配。
駅を背に右手側にチケットセンターがあったので申し込む。
んが、なんと18時の列車しか無いとの事。
参ったなあ、こんなに時間いらないんだけどなあ、と思ったんですが、言ってもしゃーないのでとりあえずチケットを買う。
550ルピー(1100円)だった。
でチケットを買った後はさてタージマハールへ行こうと思ってたところ、今日一番の最悪な人物が登場。
ニタニタ笑いながら、「タクシー?タクシー?」と近づいてきます。
まあこの時点では多少警戒してたんですが、タクシー乗らないと始まらないので値段を交渉して(100ルピー・200円)乗ることに。
でまあタクシーに揺られ揺られ向かうんですが、このおっさん、話がかなり鬱陶しい。
日本人は友達が沢山いる、とか言ってボロボロの名刺を見せてくるし、私絶対騙さない嘘つかない、とかしきりに言ってくる。
善人アピール凄い。
でまあそこまで言うなら、この100ルピー、どのような着地点に持ってくのかちょっと興味を持ちながらタージマハールへ向かったところ、着いてみたらなんてことはない「チャーターしないか?」ですって。
あーそういう前フリだったのね、と納得しながら丁寧にお断り。
200ルピーあげたことで相手もすんなり引き下がりました。
ふいー。
というわけで到着。
インドの至宝タージマハール。
チケット買って(750ルピー・1500円)、適当に進むと早速ご対面。
じゃーん。
なかなか見事なもんです。
すっかりテンションが上がった僕。
パチパチ写真を撮りまくり、ベンチに座ってマッタリしたりして堪能。
色んな角度から眺めます。
勿論タージマハールの中にも入りました。
靴にカバーをかけて入るので結構綺麗。
つか中って広いと思ったら随分狭いのね。
中央に棺があって4方向に小部屋があるだけだったわ。
まあ墓だからこんなもんか……。
中に入った後もしばらくはマッタリ。
もう一生来ないところだからしっかり目に焼き付けました。
って、でも実はタージマハール見てちょっと悲しい気持ちにもなったんですよね。
というのも僕、もう世界中で行きたいところがほとんど残ってないんです。
タージマハールとあとはヨルダンにあるペトラ遺跡ぐらいなものかな。
その一つに遂に来たわけで。
あーあ、もう見ちゃったのかあ……。
となんとも言えない寂しい気持ちが強かったです。
ま、ま、ま、とりあえずそれは置いといて。
タージマハールを満喫した僕。
この時点でまだ10時半頃。
列車は18時。
なもんで次は近くにあるアーグラーフォートという城を見学することに。
地図で見る限り歩いて15分位だと思ったんですが、意外に結構時間がかかった。
これは馬車とかに乗るべきかな。
しかも地味にお腹空いてきたし。
でま何とかたどり着き、チケットを買って(250ルピー)、中へ。
入り口の構え的に結構期待できそうだったんですが、入ってみると大したことない作りだった。
庭なんて腐るほど見てるし、建物もあんまなかったしね。
まあ遠くに見えるタージマハールだけは良かったか。
総合的にはあんまり見る価値は無し、ってとこです。
で見学ダラダラしてたんですが、空腹がやばくなってきたのでとりあえずアーグラーフォート駅に向かうことに。
適当に歩いてたら汚いゴミ捨て場の隣に小さなレストランがあるのを発見。
もう背に腹は代えられず、ここで飯を食べることに。
頼んだのは楽しみにしてたビリヤニ(インド風フライドライス)。
これ一度六本木で食べた時美味しかったから本場の味を試してみたかったんだよね。
んで破格の60ルピー(120円)という値段でオーダーし、待つこと数分、到着。
結構ボリュームがあって見た目はなかなか良さ気。
いざ食べてみると味も美味い。
カレー味がついてて具も豊富だしライスもサラサラでこれは当たりだ。
敢えて欠点を挙げるとするならば、ハエが凄い量飛び回ってるので、手で払いのけながら食べなければいけないことか。
つかレストランって言ってるけど、実際はこんなとこだからね(奥がゴミ捨て場。臭い!)。
まあそりゃハエも来るか……。
お腹がすっかり満たされた後は、アーグラーフォート駅へ。
ここから出発地点のアーグラーカント駅へ行こうとしたのだけど、ここは通ってないとのこと。
仕方なしにアーグラーカント駅までリキシャー(簡易タクシー)で行くことに。
交渉したら100ルピーだった。
安い。
で、程なくしてアーグラーカント駅へ到着。
この時点で14時。
電車は18時。
さてさてこの何もないところでどうしようか、と思っていたところ……どこかからか「ユウキ!ユウキ!」と呼ぶ声がします。
振り向いてみると、さっきのタクシー運転手がいます。
もうね、タイムマシンで戻れるならここでこいつぶち殺したい位なんですが、当初の僕はそんなことも知る由もなし。
適当に雑談します。
すると、「電車は18時だけど、バスなら15時にあるよ。今ならチケットセンターまで送るよ」ですって。
で、僕、よせばいいのにこの口車に乗っちゃって、あろうことか抑えていた列車をキャンセル。
このFuck’nおっさんに連れられるがままにバスのチケットを買いに行きました。
着いた先は旅行代理店。
中に入ると日本語ベラベラのおっさん(Ray)がいました。
最初にフォローだけしておくと、このおっさんはおそらく悪い人間ではない。
この代理店相当有名みたいで、地球の歩き方に10年連続で載ってるお店(実際見せてもらった)。
説明文章も「日本語話せて安心できる。困ったときの駆け込み寺」ですって。
なもんでこのおっさん自体には何の罪も無いのだが……。
そう、バスがなんと数分前に満席になっちゃったから15時はもう無理だよ、次は18時だよ、ですって。
おまえね、なんだそりゃ。
僕18時に列車をワザワザキャンセルしてキャンセルフィー取られてここに来たんだよ。
それなのに18時に出発って、来た意味ねえじゃねえか。
しかも話を聞いてみると、列車では2時間だけどバスは3時間かかり、バスステーションはここから1時間ほど掛かる場所にあるみたい。
さらに到着するバスステーションもNew Deliから離れてるところですって。
極めつけはチケットなんと800ルピー。
つまり、本当なら18時の列車(500ルピー)で2時間で帰れた所を、800ルピー払って1時間かけてバスステーションへ行って3時間かけて帰りそこからさらにタクシーに乗らないと駄目。
もうナニコレ……。
正直もう絶望して心が折れかけましたよ。
Rayのおっさんはユウキの事みて「本当にこればかりはどうしようもないね……。明日は明日の風が吹く」とかいい加減な事言うてるし……。
で、ま、もうしょうがねえからここらへんでカフェで時間潰して18時にバスステーションへ行こうかと思っていたところ、もう最低最悪悪魔の誘いをタクシー運転手がしてくる。
要は「バスステーションまで300ルピーで送る」とのこと。
まあRayのおっさんに聞いても300ルピーはかかるらしいので、それなら断る理由はないなと思いOK。
んが、これ、やめておけばよかった。
本当にやめておけばよかった選択です……。
で今更言うてもしょうがなく、まずはタクシー運転手に乗せられてとりあえずカフェへ。
適当なところでお茶をして雑談。
するとこのおっちゃん、バスステーションは治安が悪いからとりあえずマッサージ屋にでも行って時間潰さないか、ですって。
まあ僕もマッサージ自体は大好きだからやぶさかではなかったんですが、とりあえず実際にマッサージ屋へ行ってみると値段がちょっと高い。
1時間で1500ルピー(3000円)。
なんつーか日本と同じ値段なんだよね。
それだったら別にそこまで疲れてるわけじゃないから行かないでいいや、と言うと、タクシー運転手が食い下がる。
何やら、綺麗な女の子選び放題だから、とか、あと追加でこれだけ払ったらエッチな事もできるから、とか。
でもまあそんなもんに興味ない僕は断固として拒否。
んがこのおっちゃんも引き下がらない。
それならばと今度はタイ古式マッサージ屋へ連れてかれメニューを見せられる。
一時間2700ルピー(5400円)だったので、高いから断ったら、30分以上延々とゴネられる。
それでももうとてもマッサージっつー気分じゃねえから、もうバスステーションへ連れてってくれと何度もいうけれど、おっちゃんは「バスステーションは治安が悪い」と繰り返すばかり。
それから今度はおみやげ屋へ連れてかれる。
でも何やら奥まった所にあり、外から中が見えないスモークガラスのお店。
流石にこんなところに入るわけには行かねえから、断固として拒否。
すると中から何人も人が出てきて僕のタクシーを取り囲みゴネる。
曰く「危険なんてねえから入れ」。
でも僕もどうしても拒否。
拒否拒否拒否。
徹底交戦。
そしたら相手も遂に折れて悪態つきながら店へ戻って行きました。
つか結構やばい雰囲気だった。
おひょー。
さてもうこうなったらとっととバスステーションへ行こう、と思っても、またしてもタクシー運転手、土産物屋へ行こうと言います。
僕も何度も何度も何度も何度も「バスステーションへ行きたい。治安が悪くても大丈夫」っつーってんですが、一向に行こうとしない。
結局通りに面した土産物屋へ連れてかれる。
んで物色して、後ほど買おうとしてたマグネットがあったので申し訳ない程度に2個買う。
つか2個で300ルピー(600円)の時点でぼったくってんだけどね。
もう疲れてたからそのまま買ったよ。
でさてもう帰ろうかと思ったら、タクシー運転手が二階に来いと手招き。
さすがに嫌だったので断って外へ出たらタクシーがない。
何やらガソリン入れてるからちょっと待ってくれだって。
でそれからもしつこく「中に入れ中に入れ」うるさいので、もう我慢の限界。
300ルピーを投げつけるようにして別れを告げました。
悪態を背に受けながら逃げるようにしてその場を離れる僕。
適当なレストランでトイレ借りた後、別のタクシーを拾い、何とか300ルピーで念願のバスステーションへ到着しました。
つか治安が悪いって言ってたけど、全然悪くねえし。
結構大きめだったからベンチもあるし出店もあるからむしろ居心地良いし。
もう本当にやれやれですわ。
でこの時点で16時。
それから何とか頑張って18時まで待機し、バスに乗り込みました。
で18時半定刻通りに出発。
さて後は乗ってるだけだったんですが、聞いてみるとなんとデリー到着は22時ですって。
おまえね、列車だったら20時には着いてんだよ。
とまあもう心が折れてる僕、ひたすら耐え難きを耐え忍び難きを忍びました。
途中トイレに行きたくてたまらなかったところ、運良くトイレ休憩。
少しだけ一息。
で夜も真っ暗になった22時頃ようやくデリーのバスステーションへ到着。
さて後は何とか帰ろうかと思ったところ、もうバスを降りた瞬間からすごい数のリキシャー運転手に囲まれる。
本当は列車で二駅だったからこれで帰ろうとしたんですが、もうにっちもさっちもいかない感じ。
しょうがないのでリキシャーに乗ることにしたんですが、これまたぼったくってくる。
まあこの時間だし僕の選択肢があまりない状況なので強気の交渉が出来ず。
もう疲れ果てていたのもあって250ルピーで駅まで送ってってもらいました。
まあでも結構距離あったからこれぐらいが妥当だったのかもしれないね。
で駅へ何とか着いた後は、ホテルに戻る途中に夜食のビリヤニをテイクアウトして(ビニール袋に入れられた……)、昨日と同じ場所でチャイを飲んで(10ルピー・20円)、何とかホテルへ。
最後の最後の力を振り絞ってママンに無事の報告をした後は、シャワー浴びて倒れるように横になりました、とさ。
と、ま、こんな感じの一日でした。
いやもう途中までは良かったんですよ、アーグラーフォートまでは。
客寄せも強引じゃないし、道も舗装されてるから、「なんだインドったってこんなもんか。悪く無いじゃん。結構ありあり」と思ってたんですよ。
そこにきてこれですよ。
正直、鉄の精神でマッサージや土産を全て断ったので、金銭的にはあまり損失はないんです。
タクシー代とバス代諸々込で3000円ぐらい損したかな。
つか列車で帰る事になってたらマッサージ行ったと思うから、もしかしたらトントンぐらいかもしれない。
でもね、もう精神が疲れたんですよ。
心がバキッとへし折れました。
なんで2時間で帰れるところを(しかもファーストクラス)、嫌な思いをしてお金も沢山払って5時間もかけて戻らなきゃならないの?
もう泣くに泣けないとはこの事です。
僕、被害者によくある「自分だけは大丈夫精神」だったんですよ。
それに来てこれ。
はあ……。
いやまあ良い風に捉えるなら、たった3000円ポッチでインドへ警戒心をついたと思えば安いもんかもしれません。
これが土産物屋で20万の陶器の皿買わされたとか、飛行機のチケットに乗り遅れて移動ができなくなった、とかなら目も当てられないですからね。
良い教訓。
早い時期にダメージが深くないインドの洗礼を受けれて良かったと思いましょう。
やれやれ。
で、明日と明後日は丸々休息日。
たっぷり寝た後、昼ごろからデリーを歩いて見ようと思います。
まだまだ旅も始まったばかり。
嫌になるには早すぎますな。
ま、そいだけー!